スーパーマーケッ子のヴェルサス日誌

ゲーム・お菓子・ときどき仕事

高校受験の終わり の巻

前回までのあらすじ

 

B高校の受験当日。

緊張感を振り払いながら試験に挑むスーパーマーケッ子。

ガッチガチの心が少しほぐれたのもつかの間、

試験開始した瞬間、再び固まりまるッ!

 

何にもわからない

 

緊張とは恐ろしいもので、昨日まで難なく解けるように

なっていた問題や、当たり前のようにできた

公式がフッと飛んで行ってしまったのです。

 

じわーっと涙目になっていました。

先生、ごめんなさい。

お父さん、お母さん、ごめんなさい。

 

やっぱりダメ人間だった。

こんな感じだったと思います。

 

それでも何とかかけるところを埋めていき

スーパーマーケッ子の人生初の大勝負は

とりあえず終了したのです。

 

帰り道の記憶は

受験から解放されてやたらハイな友達と

みんなでバスに乗って帰ってきた記憶。

みんなに合わせて笑っていたけれども

絶対落ちたと確信しドヨーンな私。

 

友達発案のファミレスお疲れ様会には

とても行けず「今日はかえるさー」と

力なく笑って一人帰宅したのでした。

 

母は明るく「お疲れ様!頑張ったね。ご飯にしようか。」

そんな感じのことを言ってくれました。

「ちょっと寝ようかな」と言ってすぐ部屋にあがって

毛布にくるまって泣きました。

この記憶だけは今も鮮明に覚えています。

夕暮れの暗くなっていく部屋で電気もつけずに

しくしく泣いた記憶。

もう、この1年応援してくれたすべての人に

顔向けできない思いでした。

 

夜が明け、合格通知の日。

もうドキドキもしませんでした。

 

どこの公立高校を受けるのかで

頭がいっぱいでした。

また勉強の日々。

先生にどんな顔して会えばいいのか。

そんなことを考えながらB高校の発表を

見に行ったんだったと思います。

 

私の両親と友達家族。

みんなで会場に行ったんだったかな。

会場まで友達としゃべりながら

行った気がする。

親同士会話していた気もするし。

会場には当然見知った顔。

同じように昨日受験をした友達も

ここに集まっていました。

 

みんな、すごい。

笑っている。

もう合格した気でいるんだろうな。

 

私だけが不合格なんだろうか。

みんな、どんな言葉を私にかけるのだろうか。

 

合格発表会場が開門すると

正月の福男のように皆が会場めがけて駆け出して行く。

友達に手を引かれ私も否応なく駆け出していました。

 

ドラマや漫画で観るような合格発表の掲示板。

ないとわかっていても目の前にすればドキドキするものです。

 

もう番号なんて覚えていないけれど、

掲示板の番号を目で追いながら

呪文のように自分の番号を繰り返した気がします。

 

もしかしたら、

もしかしたら。

 

 

"(-""-)"

 

 

"(-""-)"

 

 

"(-""-)"

 

 

 

 

 

Σ( ゚Д゚)

 

 

あった!

ありました。

 

スーパーマーケッ子、B高校合格!

 

体の中で爆発でも起きたような驚きでした。

 

合格するわけないと思っていたんだから。

分数の足し算ができないやつが

合格できるわけないと思っていたんだから。

 

うれしかったという一言に尽きます。

体から1年分のプレッシャーが抜けていくのを

初めてこの時体感しました。

これが何かを成し遂げるということなのか。

頑張るということなのか。

 

「よく頑張ったねスーパーマーケッ子ちゃん」

聞きなじんだ声、両親でも友達の声でもない。

 

先生も結果発表を見に来てくれていました。

 

私は昨日に引き続き泣いていました。

今度はうれしくて。

先生にありがとうを言いながら泣きました。

 

にぎやかな合格発表会場で

泣いているのは私ただひとりでした。

 

 ー完ー

 

amzn.to